第25回美濃和紙あかりアート展上位入賞作品について

10月6日(土)・7日(日)に開催した「第25回美濃和紙あかりアート展」

台風の影響が心配されましたが、両日とも無事に開催することが出来、
1日目は屋内会場の体育館、2日目はうだつの上がる町並みに
一般部門250点、小中学生部門87点、計337点の作品を展示いたしました。

両日合わせて8万人の方にご来場いただきました。
本当にありがとうございました!

さて、今年の上位入賞作品を写真とともにご紹介します!!

まずは一番気になる一般部門の大賞から!!!


作品名「ほのかに」
出展者名「須藤 真未」 三重県四日市市
審査講評
和紙そのままの魅力が生きた作品。
しなやかさ、強さ、やわらかさ、透明感、ハリ、光源の入れ方によって色がちがい、くっついたりはなれたり、ランダムに和紙を立てることによって異なる陰影が出ている。

続いて美濃和紙あかりアート賞2点!

作品名「面影」
出展者名「MAYS(拓殖大学)」 東京都八王子市
審査講評
作る楽しさが表われている。
物づくりの楽しさ、和紙の透過性を生かして異なる陰影。
平面でありながら立体的に見える和紙の豊かな表情が表現されている。


作品名「UNITY」
出展者名「吉村 祐樹」 福岡県福岡市
審査講評
石の存在が、和紙の良さをひきたてている。設定がよい。
石と紙のバランスが、素材の良さを引き立たせている。
生命体的な海の中の潮の満ち引きを感じる。生命感が宿る。
呼吸感がある。ディスプレイがよい。あたたかでふくよかな生命感を感じる。

続きまして、各審査員が選ぶライトアップ賞5点!

古川秀昭賞

作品名「frame」
出展者名「加藤 舞香(拓殖大学)」 東京都八王子市
審査講評
出展作品中、見る人の心を最も解き放ってくれる作品だろう。
おそらく作者がもっと自由を味わおうといているからだろう。
和紙のこよりで輪を作って重ねたり、連結したり、それらを全く思いつきで構成するだけ。
技法や技術を通り抜けたさわやかな仕上がりだ。

堀木エリ子賞

作品名「和らぎ」
出展者名「村瀬 五郎」 岐阜県岐阜市
審査講評
和紙の重なりによる陰影が美しく、障子の灯りが時間帯や季節で変化していく様子を思い出させてくれるような作品。
作品の端部を焼くことによって、和紙ならではの、より多彩な表情を引き出しています。
移ろう和紙の魅力、陰影による奥行き感を活かした作品。

日比野克彦賞

作品名「集合体」
出展者名「チームC(拓殖大学)」 東京都八王子市
審査講評
どこかで見たことのある形だなぁと思っていたら、ファーストフードでテイクアウトすると買ったものが紙袋に入って店員さんから手渡されるのが、こんな様な形。
底は平らで、先は閉じている。現代における幸せの形なのかもしれない。
人によって、物の形の見方は様々だから、アートはおもしろい。私はおなかがすいてきた。

東宮洋美賞

作品名「光を割る」
出展者「宮崎 晋」 岐阜県美濃市
審査講評
光る立方体を無造作に台に置き、作者が想を込めて割った。その断面には氷のような質感が現われた。
冷たく白い陰影が和紙を氷の塊に見せている。
和紙の自在性と平面性を組み合わせたシンプルな存在感のある作品。

高橋理子賞

作品名「SENSU」
出展者名「和田 俊一」 岐阜県高山市
審査講評
日本の伝統的形状をを使いながら、和紙のしなやかさと張りを生かしたシンプルでシャープなフォルムが大変目を惹きました。
光の色味にもこだわりが感じられ、作者のもの作りへ対する隙のない真摯な心持ちが迫ってくる作品だと思います。

続きまして、小中学生部門の上位入賞作品のご紹介です。

小中学生部門の大賞作品はこちら!!

作品名「真鯛」
出展者名「榊原 駿希」 西尾市立一色中学校1年
審査講評
海面から勢いよく飛び出した鯛の姿を生き生きと表現しています。
カッと見開いた目、ギザギザの細かな歯、ウロコ、波など細部にわたり豊かに表現されています。
見る者の目をひきつけてやまない見事な作品でした。

続いて小中学生部門賞5点です。

篠崎里美賞

作品名「スヤスヤ・・・」
出展者名「藤吉 胡歩」 美濃市立大矢田小学校3年
審査講評
和紙の特性を生かした水切りの技法を用いたすばらしい作品です。
前足にあごをのせ、すやすやと眠る小犬の姿がほほえましく、つい触ってなでてしまいたくなります。小犬の息づかいや体温さえも伝わってきます。
時間をかけてていねいに制作された作品から、作者の小犬に対する愛情が伝わってきました。

篠崎里美賞

作品名「卒業を飾る」
出展者名「福井 伶菜」 美濃市立美濃中学校3年
審査講評
中学生ならではの技と美的センスを兼ねそなえた完成度の高い作品。
全体のバランスも良く、この光輝く美しいデザインをそのまま建築として実現できたらと思わせる程、秀逸である。

森妙子賞

作品名「シャドウのからす」
出展者名「井上 隼太朗」 美濃市立牧谷小学校2年
審査講評
井上隼太朗君、小学校2年生の作品です。テーマのカラスはどこからの発想でしょう。
こんなにもシンプルで強いインパクトの作品、久々に新鮮な驚きを持ってみさせていただきました。
下敷かれた青い和紙がカラスのシルエットに反響してか、シャドウにほんのり青のグラデーションがかかっていて絶妙です。
アーティスティックで詩情豊かな作品に仕上っていました。

市原慶子賞

作品名「カラフルねこ」
出展者名「藤田 千愛」 美濃市立牧谷小学校4年
審査講評
作品全体にあかりが入りカラフルな色彩が、とてもインパクトある美と
また「カラフルねこ」にこめられた夢一杯の思いが伝わってくるようなとても楽しい作品だと思いました。

斎藤歩賞

作品名「深海フラッグ」
出展者名「日置 心音」 美濃市立中有知小学校6年
審査講評
深海には温水が噴き出し、深海生物が集まる所があると聞きます。
そんな、光の届かない深海での生き物達の営みを明るい色彩と光を使ってドラマチックに表現した作品です。
海底は力強く動きのある造形です。生き物達は1つ1つとてもしっかりと作られています。
にじみ出す光に命のエネルギーを感じました。
作者の好奇心とこだわりが伝わってくるすばらしい作品です。

今回の美濃和紙あかりアート展の総評として
『今回25回展も和紙の豊かな表情を知ることができ、楽しい審査となった。
全国各地、また幅広い世代の出展者の中から入賞作品が決定した。
15歳から82歳の400人近い出展者から、美濃和紙あかりアート大賞には三重県の20歳の出展者の作品「ほのかに」が、また、美濃和紙あかりアート賞は東京・福岡からの出展者の作品が選出された。
大賞は和紙そのものの素朴さと強さの魅力が光った。
それに対して、あかりアート賞は2作品とも和紙の特質を様々な手法で表現し、高い技法による美しい格調が評価された。』
審査委員長の古川秀昭先生よりいただきました。

来年の第26回美濃和紙あかりアート展は
10月12日(土)・13日(日)に開催予定です!!
ぜひ来年の美濃和紙あかりアート展をお楽しみに!!!!