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第32回美濃和紙あかりアート展 上位入賞作品

今年の上位入賞作品を写真とともに紹介します!
※ 敬称略。同一賞内出展番号順。

 
【一般部門】

〇美濃和紙あかりアート大賞・岐阜県知事賞〇
 
 

No.43 安井 小百合
作品名「切り出されたモノ」

審査講評

ほぼ正方形に切り取られた和紙が無類に重ねられている。柔らかい和紙の独特のシワが重ねられた立体の内側から発せられる光を絶妙に発散する。他の出展作と異なって切ったり、折ったり、曲げたりといった紙の性質を使わずに紙そのものの姿がたくましくある。(古川)


 
〇美濃和紙あかりアート賞〇
 

No.73 伊藤 留美子
作品名「slow time」

 

審査講評

植物の種子のような造形だろうか。割れ目から見える球状の異なる質感の造形との構成が美しい。外側は、和紙の重ね貼りや、喰い裂き、落水紙を柔らかく解きほぐし独特の風合いを重ね合わせて見事にまとめている。(柴崎)


〇美濃和紙あかりアート賞〇

No.78 漆原 悠介(拓殖大学)
作品名「揺蕩い」

 

審査講評

ふくよかに空気を内包して、美濃和紙の柔らかさと温かさを自然な造形で表現している。作品の内部に血が通った生き物が居るようにも見え、和紙特有の空気感や気配を感じさせてくれる作品。皺の強弱が抑揚となり、力強くも感じられ、不思議な雰囲気を醸し出している。(堀木)


〇ライトアップ賞 (古川秀昭賞)〇

No.5 小川 克憲(オガワアトリエ)
作品名「ブラックホール」

審査講評

誰も知ることない「ブラックホール」とは、このようなものなのかもしれない。和紙の性質をたっぷり活かし、宇宙の源に迫る姿勢が好ましい。ただ、もしかすると支持体となる正方形のボックスには、もう一工夫あるといいと思う。次回を期待する。


〇ライトアップ賞 (堀木エリ子賞)〇

No.8 安田 武博
作品名「美濃和紙の花」

審査講評

古くから続く、美濃和紙の里でのお祭りや花神輿を感じさせ、楽しさと華やかさがあり、和紙の里だからこそ生まれる作品。1本1本のパーツが丁寧に作られていて、和紙に対する愛情が感じられる。こよりの特性をいかした自然な「しなり」と小さな紙片が中央の照明に照らされて、活き活きと躍動して見える。


〇ライトアップ賞 (高橋理子賞)〇

No.79 加納 英香
作品名「ほむら」

審査講評

美濃和紙のしなやかさが存分に生かされた作品である。和紙をねじり上げた自然な動きが、タイトルの通り、燃え上がるような熱を感じさせ、作者の作品制作に対する情熱そのものであるように感じられた。中に螺旋状の支持体があるが、それが単なる形状保持に留まらず、美しい陰影を作り出し、作品全体に躍動感を与えている。


〇ライトアップ賞 (柴﨑幸次賞)〇

No.60 渡辺 末明
作品名「古紙楮」

審査講評

古い書に使われた楮紙による作品。簀の目は細かいものあり、美濃でかつて漉かれた楮紙だろうか。簀の目の重なりを見るのも楽しい。
近代以前、書の紙はほとんどが和紙であり、このような日本各地にある和紙の古紙も大切にしたいし、現代の生活へ新たな活用として注目したい。


❁一般部門 総評❁

和紙はやはり美しい。今回も新しさが輝いていた。150点を越す「和紙」と「あかり」による作品群から27点が入賞した。大賞作品はまさに和紙そのものの提示なのだが、和紙の柔らかさだけの表現であるにもかかわらず、重厚な存在感を発揮している。受賞作にはそれぞれ和紙の特性、折る、切る、透かすを発揮して「あかり」によって想像を絶する美を生んでいる。そして和紙にまだまだ秘められた美しさが期待される。(古川)

 


【小中学生・ファミリー部門】

〇ファミリー部門大賞〇

No.401 ゆうきくんち

審査講評

温かくやわらかいあかりと共に、おいしそうな食卓のビールとラーメンが届きました。お箸はきちんと箸置きに。レンゲも添えられいます。グラス越しのビール
の彩も良く、丼に入ったラーメンは様々な具材のありようまで教えてくれて熱々のおいしさが伝わってきます。食卓を囲む家族の楽しい声が響いてくるような作品でした。(日比野)


〇中学生部門大賞〇


No.509 加藤 亜衣琉
作品名「花火」

審査講評

薄い和紙を貼り付けた四角い箱の表面に、花火の模様を貼り付け、そこに中から漏れた光が映し出されるという幻想的な作品です。タイトルが「花火」ということで、表面に貼ってある花火の模様を、もっと華やかな色にする方法もあったと思うのですが、全体をモノトーンに仕上げていてある種の静けさを感じさせるのはかえって新鮮でした。(橋田)


〇小学生部門大賞〇

No.654 モリノスの子どもたち
作品名「みんなの森あかり」

審査講評

木々の葉が色づき始めた頃、騒がしい鳥の声を聞きながら森の中を友人たちとワイワイと散策をする情景が想像される。作品に目を凝らして見ればいろいろな動物を発見できる楽しさがある。様々な色を塗った和紙の断片を貼り合わせることで多種多様な生物が集まり共生の中で成り立つ森が一つの生き物として動き出そうとしている生命感にあふれる作品である。(土屋)


〇小中学生・ファミリー部門賞 (橋田裕司賞)〇

No.620 鈴木 愛加
作品名「春に咲く美濃の桜」

審査講評

見ているだけで心が晴れやかになる作品です。お花だけでなく、木の幹の部分も丁寧に作られていて、全体のバランスがとても良いと思います。多分光源はLEDの白い光のタイプを使っていると思うのですが、この色味はピンク色との相性が良いので、それも爽やかさの表現につながっていると思います。


〇小中学生・ファミリー部門 (日比野光希子賞)〇

No.617 各務 李咲
作品名「えびでたいを釣る」

審査講評

青い水面から飛び跳ねている大きな赤い魚!なんとその口には一匹のエビが!「えびでたいを釣る」という言葉から抱いたと思われる景色が、見事に表現されています。真っ赤なひかりを体中にたくわえているたいは、釣られてしまったというより、食べちゃうよ!という元気な力強さがあって、がんばれーと応援したくなるようです。


〇小中学生・ファミリー部門賞 (土屋明之賞)〇

No.527 松井 琥汰朗
作品名「光」

審査講評

闇に浮かぶ荒々しい光の塊はオブジェとしての存在感を強く感じた。点から線へ、そして面と面とが繋がり立体となる造形の関係性を一生懸命に分かろうとする素直な姿勢がみられる。さらに、この作品を長い時間をかけて鉱物が結晶するその過程として捉えれば、今後作者がこれから出会う物や事に好奇心をもって造形の楽しさをより味わっていかれることを期待する。


❁小中学生・ファミリー部門 総評❁

子供たちの作品を見ていて、面白いなと思うのは、個性がそのまま形になっていることです。実は賞を選ぶ時、審査員の意見は分かれました。それは、それぞれの作品がオンリーワンだからです。新設のファミリー賞でも、チームの個性がよく出ていました。選ばれた作品は、やはりそれに加え、光のバランスが良かったです。ぜひ今後の参考にして下さい。(橋田)

※ 敬称略。同一賞内出展番号順。
 

 

 

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