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第33回美濃和紙あかりアート展 入賞作品

今年の上位入賞作品を写真とともに紹介します!
※ 敬称略。同一賞内出展番号順。

 
【一般部門】

〇美濃和紙あかりアート大賞・岐阜県知事賞〇 
 

No.68 𠮷田 光太朗(拓殖大学)
作品名「解ける」

審査講評

和紙を巻き込んだシンプルな作品だが、和紙の末端の質感を活かして、和紙独自の質感や自然感を存分に表現している。不均一な巻き方による陰翳が美しく、美濃和紙本来の魅力が感じられる。和紙に付けた皺や量感のバランスもよい。素朴でありながら力強さがあり、素晴らしい作品に仕上がっている。(堀木)


 
〇美濃和紙あかりアート賞〇
 

No.69 アッキーユッピー☆(拓殖大学)
作品名「shirata」

審査講評

ダイナミックな量感に目を奪われた。一定の幅に切った和紙を交互に折り畳んで作られたパーツをバランスよく組み合わせ、柔らかく流れるような光のグラデーションを生み出している。手法そのものに目新しさがあるわけではないが、和紙の温もりをそのままに、現代的な雰囲気を纏った完成度の高さが評価された。(高橋)


〇美濃和紙あかりアート賞〇

No.130 イソノ レイコウ
作品名「侵食、サレド」

審査講評

和紙による四角い造形の柔らかい光に、完全な黒の球体により浸食されていく様相をダイナミックに表現している。作品の下部に漏れる光もそのイメージを踏襲し、まさに“あかりアート”といえる作品である。(柴崎)


〇ライトアップ賞 (古川秀昭賞)〇

No.84 伊藤 純子
作品名「深山幽谷」

審査講評

これぞ和紙!!様々な表現技法を意図的に排除してたどり着いた作品だ。タイトルがやや説明的なのが鑑賞範囲をせばめてしまって残念。


〇ライトアップ賞 (堀木エリ子賞)〇

No.66 吉田 真己(拓殖大学)
作品名「実」

審査講評

まるで動き出すような、体温を感じる優しい作品。和紙の糸による不均一さが生み出す表情が愛らしく、和紙の温かさや呼吸感、素朴さが伝わる。技術や理屈ではなく共感を寄せることができる物体で、うだつの街並の中で優しく鎮座する様子が微笑ましい。


〇ライトアップ賞 (高橋理子賞)〇

No.114 松島 康貴
作品名「綾宿る」

審査講評

幾何学的で構築的でありながら、ゆっくりと動き出しそうな不思議な魅力に目が止まった。細い糸状の和紙を添わせながら組み上げ、細部まで丁寧に仕上げられている。一見、ふんわりと柔らかく見えるだけに、実際の仕上がりの硬さにはやや違和感もあるが、大きさや光の強さなど、あらゆる点でバランスの取れた作品である。


〇ライトアップ賞 (柴﨑幸次賞)〇

No.36 佐藤 貴久子
作品名「想望華」

審査講評

和紙を細長く切り重ね合わせ、さらに折り重ねたパーツを組み上げ、空想の花のイメージを作りあげた作品。表現された陰影グラデーションの深みにもばらつきがあり、和紙工芸としての美しさが表現されている。

 


【小中学生・ファミリー部門】

〇ファミリー部門大賞〇

No.406 まつたにファミリー
作品名「3・2・1 行けー!!!!!」

審査講評

モクモクと白い煙をはいて、まさに今、ロケットが打ち上げられてゆきます。紙の色を生かした数えきれない程多くの球の重なりが描く、真っ白な噴射煙は力強く、大迫力で、打ち上げを見守る皆の歓声が、青い海のざわめきを伴って響き渡ってくるようです。家族の思い出が見事なあかりになりました。(日比野)


〇中学生部門大賞〇


No.541 古田 叶真
作品名「夢幻」

審査講評

ピラミッドを連想する和紙を張った3角形の4面体の中に閉じ込められたいろいろな色がちりばめられた和紙球体を光源としてぼんやりと放たれた光がさらに三角面の和紙に映し出される映像の物語は、宇宙の闇に浮かぶ銀河をも想像させる神秘的でまさにタイトル通りの興味深い作品です。(土屋)


〇小学生部門大賞〇

No.606 河江 類希
作品名「こもれびの森」

審査講評

木の枝に小さな和紙の葉っぱをいっぱい貼りつけて、後ろからの光で、木漏れ日のイメージをうまく表現しています。よく見ると、葉っぱの色は、何種類も使っているし、木にはカブトムシやチョウチョが止まっています。そういう細かなこだわりが、作品のレベルを一段上げているんだと思います。(橋田)


〇小中学生・ファミリー部門賞 (橋田裕司賞)〇

No.529 加藤 麗羅
作品名「夕暮れ」

審査講評

シンプルな四角い形の中に、夕暮れ時の一瞬の風景を閉じ込めた、光のグラデーションが、とても美しい作品です。
色は自分で染めたそうですが、色は反射光で見るのと、電球を灯して透過光で見るのでは、イメージが大きく変わります。この光を見ていると、夕焼けが目に浮かぶようです。


〇小中学生・ファミリー部門 (日比野光希子賞)〇

No.642 星野 桜青
作品名「パン」

審査講評

ボリュームたっぷりで、目を引くおいしそうな食パンです。土台にある丸い流木も、パンのおいしさを保つ大事な要素になっています。食パンの焼き色も、リアルに作られていて見事で、落水紙の繊細な重なり具合が味わいを増しています。パンのいい香りに包まれる気分です。


〇小中学生・ファミリー部門賞 (土屋明之賞)〇

No.657 土本 栄純
作品名「光る海」

審査講評

この作品はまさに「水の惑星」と呼ばれる地球ですね。大きく青色に映し出されるクジラのシルエットは、海の象徴でありその周囲に点在する赤や緑のシルエットは大陸を想像できます。
テーマである“和紙とあかり”をしっかりと理解しベースとなる球体が丁寧に作られているからこその力強いいい作品です。

 


一般部門・小中学生・ファミリー部門 入選
 

番号 作品名 作品名 講評 審査員
8 大矢 伸治 紙脈 和紙の特性を巧みに活かし、繊細な手仕事によって生み出された光のグラデーションが美しい作品である。大胆な量感も魅力的である。 高橋
19 川田 秀子 出逢う 和紙の特性を活かしたパーツを組み合わせて、自然な不定形を構成している。楽しんで制作している様子が目に浮かぶ作品。 堀木
35 岩城 永幸 レインボー 和紙と木工や針金の仕事による完成度の高い作品。フレームの仕事は良いが、さらに美濃和紙としての使い方の工夫を期待したい。 柴崎
39 後鳥 勝則 灯りのテリトリー 和紙を切り込むことによって「線で構成する面」を重ねた楽しい作品。奥行き感があり、陰翳も美しい。 堀木
58 田邊 優
(拓殖大学)
生命 まさに生命感を感じさせる作品。ミシンの穴に赤い糸が少し施され生命という感性が現れている。 柴崎
65 横田 智哉
(拓殖大学)
昇角群 円錐形の森、または塔の群のようなイメージが風景のように見える。四角い和紙のほのかな染色、重なり合い部分に複雑な光が出ているのもおもしろい。 柴崎
70 さわやか
(拓殖大学)
ゆらぎ 和紙と糸を使ったリズム感が感じられる作品。ゆらぎの心地よさが表現されている。 柴崎
73 White Orijin
(拓殖大学)
滴々 大きな水滴のような造形に対して、小さな水滴のようなモチーフの和紙を重ね合わせ、素材感としているところがユニークな作品。モチーフの隙間に糸状の線を巡らせている遊び心も楽しい。 堀木
79 名倉 奈央子 祈り これは和紙か?と疑うような強固な形体に驚く。よく見ると和紙の小片を貼っただけなのだ。おそらく祈るような心境の下にこの作品が誕生したのだろう。 古川
82 鈴木 米浩 カノン(canon) 一見、不安定な造形が個性的な表情となっていて面白い。細かい骨組に丁寧に色和紙を貼り込み、楽しい作品となっている。 堀木
83 TSUTAMIN 萬歳 丁寧な手仕事の積み重ねによって構築された造形が、美しい光の流れを生み出している。伝統的な祭りや祝いの場にも調和する、華やかな佇まいが素晴らしい。 高橋
85 鵜飼 留美子 paper monster 一見、大胆な佇まいでありながら、細かな作業の積み重ねによって生み出された作品である。ダイナミックな造形の中に見えてくる、繊細な動きを感じさせる和紙の表情が魅力的である。 高橋
88 髙栁 和弘 天の川 基本のいくつかの六角形が規則正しく、くり返され宇宙の何かを感じさせる。球体に歪みがあっても、大らかな作品になるかもしれない。 古川
92 宮下 毅 円奏 アクリル素材の使用については審査員の間でも評価が分かれたが、和紙ならではの素材感や軽やかさを活かした丁寧な仕事が評価された。和紙の表情が大変美しい作品である。 高橋
112 BFF 海蛸子 あかりアート展では珍しい作品で面白い。誰でも知っているタコが和紙とあかりよってユーモラスさと忘れていた新しさを教えてくれる。 古川
120 栗林  柚妃 邂逅 帯状の和紙にシワ加工を施し、ろくろのように巻き上げた作品。紙でこそ表現できる独特な造形になっている。 柴崎
142 伊東 弘子 光を、さがして 落水紙の柔らかさを存分に活かした作品である。手法そのものに新規性があるわけではないが、心地よいサイズ感と質感の良さが評価につながった。 高橋
149 青山 隼大 カサネ 和紙を重ねた作品が多くある。ただこの作品は「カサネ」に特別こだわりながらも、実に自由にしなやかに作品の表情を生み出した秀作だ。 古川
153 増井 弘美
(大同大学
中島研究室)
秘光 筒状の和紙の組合せによって、細胞のように光る造形が美しい。筒の直径を変えることで、放出する光の量も異なり、効果となっている。 堀木
159 小坂 優来 ゆく 円形の二重の骨紙に三層のこよりで、浜辺に網をしたような光景を演出している。ひたすらこよりを編んだ後にひたすら一本の水平軸にたらしただけの他の作品に全く見られない新鮮さがあった。 古川
番号 作品名 作品名 講評 審査員
403 金澤 依央理 秋田犬のチャチャ かわいい愛犬の明かりですが、光源を電球色にしたらもっと良かった。 橋田
405 古川 ゆめか 会ってみたいなふわふわなシマエナガ ふんわりやわらかな光をいっぱいまとって、極上シマエナガの登場です。 日比野
512 蘇南中 11G 救助完了! 上は救助完了!でも海の下には静かに魚がおよいでいる。対比がおもしろい。 橋田
517 太田 快生 月明り 夜空のまんまるお月さまに、うっとりしました。 日比野
519 木村 孔紀 和紙ボナーラ 和紙ボナーラという呼び名が面白いです。黄身もおいしそう。 日比野
525 太田 蘭 超四角 立方体の構成は、建築的で現代の都市をイメージする、スマートな作品です。 土屋
536 吉岡 美咲 誰かのこころ 実に美しい宝石ですね。技術的にも高い作品です。 土屋
601 福田 梨心 大好きなラムチ 細かな模様を描いた丸く柔らかなフォルムとあかりの色あいがとてもよく似合っています。 日比野
610 渡邉 玄介 自分で取ってきた角 めったに見つけることができない物を見つけた時の感動が、光の物体として、うまく表現した神秘さも感じられる作品です。 土屋
612 古田 百笑 えものはどこだ? 大きく口を開け、小魚をさそいこむアンコウのユーモラスさが、とても良く表現されています。 土屋
615 井筒 拓人 日の出 富士の裾野に心のこもった十二支がていねいに描かれていて、富士パワーと一緒に沢山の元気を届けてもらいました。 日比野
618 鈴木 愛加 梅雨のあじさい 実の雨にぬれたあじさいの紫色がとてもよく表現されています。造形的な量感もあり、きれいな作品です。 土屋
624 西脇 夢穂 フルーツかき氷 おいしそうです。かき氷のふわふわ感をうまく表現しています。 橋田
626 永田 湊士 小倉山の赤ちゃん 表現がかわいいです。サルの赤ちゃんの毛の感じもよく表現されています。 橋田
629 佐藤 秀咲 光るひよこのピーすけ 実に素朴な作品でとてもいいですね。生まれたばかりのヒヨコの可愛さが伝わります。 土屋
636 吉田 健人 3段星のケーキ 星のケーキという発想がおもしろい。壁につけてもよさそうです。 橋田
637 吉田 賢広 えび餃子 想いがそのまま形になり、透けて見えるエビの姿も、とても上手にできています。 日比野
645 みおな みんなで育てたトマト 「ビニールハウスの中には何が栽培されているかな」と、そっとのぞいた時、目にとびこんできたトマトの赤色の美しさ。共感できます。 土屋
646 横井 桜 ねこ ネコが紙をやぶって飛び出してくる。アイデアがすばらしい。 橋田
654 にいな ぷかぷか泳ぐクリオネ 造形がおもしろい。ピンクの和紙を内側からはったら、さらにそくなります。 橋田

 


❁一般部門 総評❁
今年もいつもの審査員の方々と楽しく170点を超す作品を選考した。正直なところ表現方法にある定着した技法が目につくのだが、それだけに和紙を知り尽くした技法の高まりが感じられる。一方、和紙のそのものに立ち返る方向も見られ、あかりアートの魅力の広がりがうれしい。(古川)

❁小中学生・ファミリー部門 総評❁
今回も100点を超える出品があり造形への関心の高さがうかがえました。和紙を中心に木や身近にあるいろいろな素材や色を用いてしっかりとした形を作ったうえで明かりという課題に対して感じたモノや事柄を物語としてうまく表現した素朴な作品が多くみられました。AI等が人間社会に及ぼす影響が議論され始めている今だからこそ、ここに見る手仕事であり皮膚感覚を通した営みの重要性を深く感じました。(土屋) 


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