第23回美濃和紙あかりアート展審査結果!!

10月8日(土)・9日(日)に開催した

「第23回美濃和紙あかりアート展」

初日はあいにくの雨模様となり、6年ぶりに体育館での展示となりましたが、多くの来場者で賑わいました。

2日目は朝まで雨が残っていましたが、午後からさわやかな秋晴れとなり、

うだつの上がる町並みで無事に展示することができました。

作品数一般部門273点、小中学生部門130点を展示し、

両日合わせて8万人の来場者で盛大に開催することができましたこと、厚くお礼申し上げます。

本当にありがとうございました!!

さて、気になる今年の審査結果を発表します!!!!

まずは一番気になる今年の一般部門の大賞から!!!

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作品名「幸せの香り~」
出展者名「天池敦子(岐阜県富加町)」

審査講評
誰もが日常よく見かけるダンボール箱につめられた「桃」である。それが箱も中身も和紙で作られている。にもかかわらずタイトルには「香り」とあるのも楽しい。日常の一コマが突如全く予想もできない新しさを誕生させている。

続いて美濃和紙あかりアート賞2点!
アート賞「雪花」
作品名「雪花」
出展者名「木戸口幸人(岐阜県関市)
審査講評
雪原の中に無数の光が展開され、シンプルの中に無限へと続く光のホリゾントを感じました。螺旋をえがくように積層されたち密な光の連なりは、紙というテクスチャーを離れ、美しい造形になりました。

アート賞「ことのは」
作品名「ことのは」
出展者名「桃園靖子(東京都府中市)」
審査講評
素朴な和紙の魅力を引き出しています。自然な大きな花を想起させます。中にあるランプが1つ使われていますが、その光の濃淡がきれいな抑揚があり絶妙でした。

続きまして、各審査員が選ぶライトアップ賞5点!!

古川秀昭賞
古川賞「絹糸つむぎ」
作品名「絹糸つむぎ」
出展者名「前野鏡裕(大阪府大阪市)」
審査講評
タイトルのイメージは伝わってこないが、絹糸と思われるものがほぼ1cm幅の和紙が放射状に張られているのに驚く。しかし何よりこの作品の魅力は、中央の円に光が吸収されてしまうような闇を構成するしかけがいい。

内原智史賞
内原賞「線香花火」
作品名「線香花火」
出展者名「吉村祐樹(福岡県福岡市)
審査講評
線香花火の最も華やかな瞬間でしょうか?シンプルな三角のパターンが軽妙に連なり、花火の動きもとてもうまく表現されています。三角の和紙がこよりの結びで継がっているところも素敵でした。

東宮洋美賞
東宮賞「カミナリクモ」
作品名「カミナリクモ」
出展者「イソノ レイコウ」
審査講評
和紙を重ね、連ねた自由な形はおおらかで、あかりを灯すと表情が一変、透過するあかりに赤い陰影が怪しい雰囲気を醸しています。稲光を蓄えたカミナリクモは、あかりを見つめて音が聞こえる作品です。

田中敬一賞
田中賞「フロストフラワー」
作品名「フロストフラワー」
出展者名「林三智子(岐阜県各務原市)」
審査講評
静的な作品フォルムが多い中、うず巻くようなダイナミックな集約的なエネルギーを感じさせる魅力があります。現代建築を想起させるようなモダンな表現が、和紙という対極ともいえるテクスチャーで提示されている作家の思い切りの良さに感銘を受けました。

高橋理子賞
高橋賞「美濃切子」
作品名「美濃切子」
出展者名「356(岐阜県関市)
審査講評
シンプルな構造から生まれる繊細かつ情緒的な影のゆらぎが美しい。禅の世界を思い起こさせる佇まいは品も良く、歴史ある美濃和紙や美濃の町並みにふさわしい作品である。

続きまして、小中学生部門の上位入賞作品のご紹介です。

小中学生部門の大賞作品はこちら!!
小中学生大賞「あったらいいなふしぎな木」
作品名「あったらいいなふしぎな木」
出展者名「玉木心琴(岐阜県美濃市)」
審査講評
アールヌーボーのガラスの作品を想像させる美しさを和紙でみごとに表現しています。だれもが幸せな気持ちになれるようなこんな木がどこかにあったらうれしいです。

続いて小中学生部門賞5点です。

広井敏通賞
広井賞「夢のくじら」
作品名「夢のくじら」
出展者名「後藤はるか」
審査講評
パッと見た時、配色とデザインがとても気持ち良く私の目にとびこんできました。くじらの形もかわいく心がなごむすてきな作品です。

広井敏通賞
広井賞「でんでん虫」
作品名「でんでん虫」
出展者名「石原伶緒・石原圭恵」
審査講評
作り込みはそれほど細部まで作り込んではいませんが、作品全体からわき出てくるやさしい明かりを感じました。単純な形ですがかたつむりのやさしいイメージをあたたかい明かりで表現されたすてきな作品です。

市原慶子賞
市原賞「フェイスto フェイス」
作品名「フェイス to フェイス~自分と向き合って ① ②」
出展者名「中濃特別支援学校中学部1年生A・Bグループ(岐阜県関市)」
審査講評
みんなが力を合わせて作った作品ですね。ひとりひとりの顔の表情が豊かで生き生きして心あたたまる作品だと思います。みなさんの気持ちが伝わってきます。頑張ったのですね。毎年みなさんの作品を見させていただき今年もすごい作品だなあ~と思いました。私の大好きな作品です。

篠崎里美賞
篠崎賞「笑顔とちょうちょのお城」
作品名「笑顔とちょうちょうのお城」
出展者名「日置心音(岐阜県美濃市)」
審査講評
あふれる笑顔と軽やかに舞うちょうちょの華やかさと、複雑に重なり合うことで生まれた造形のおもしろさにひかれました。想像力にあふれ灯りとしての完成度もみごとです。

篠崎里美賞
篠崎賞「まぼろしの本」
作品名「まぼろしの本」
出展者名「堀江結実(岐阜県美濃市)」
審査講評
何度も読み込んだ本のページがやわらかな光を放ち、その光に宿る生命体の美しさと力強さが伝わってきます。どこにもない不思議な世界観におもわずひき込まれました。

今年も本当に素晴らしい作品ばかりでした。
審査委員長の古川秀昭さんは今回のあかりアート展の総評について
「23回を迎えるあかりアート展は、いよいよ美しい「うだつの上がる町並み」に映える質の高い作品が展示されている。一般部門の受賞作3点は5人の審査員が熱のこもった議論を重ねて、大賞に「幸せの香り~」、あかりアート賞に「雪花」と「ことのは」が選ばれた。3作とも和紙の特質を充分に捉え、そこにあかりの効果を取り込んで見事な表現を導き出している。大賞の作品はこれまでの受賞作の傾向とは異なった、日常見慣れた題材に誰もが忘れかけていた新鮮な生活感覚を呼び覚ます作者の豊かな感性があふれている。アート賞2作は高い技法と完成度の高い見応えある力作である。そして何よりこのあかりアート展を盛り上げ支えているのは美濃市民の幅広いボランティアの心である。そこに10万人の観衆を集める力があると思う。」
と語ってくださいました。

来年の第24回美濃和紙あかりアート展は
10月7日(土)・8日(日)に開催予定です!!
ぜひ来年の美濃和紙あかりアート展をお楽しみに!!!!